こんにちは、管理人のヒロキです。
みなさんは「介護療養型医療施設」という介護施設があることをご存知ですか?
特別養護老人ホームや介護老人保健施設と比べると、あまり聞かない施設だと思います。
ですが私は、この介護療養型医療施設が果たす役割というのが、認知度が低いわりに大きいのではないかと思っています。
ここでは、介護療養型医療施設の特徴などを説明していきたいと思います。
介護療養型医療施設の特徴
1 病院や診療所が運営している
まず大きな特徴として、病院や診療所が運営している点にあります。
介護療養型医療施設は介護療養病床とも言われてます。
制度的な説明になりますが、病床は医療法という法律によっていくつかの種類に区分けされていて、精神疾患を有する患者が入院する精神病床、結核患者が入院する結核病床、長期療養が必要な患者が入院する療養病床などの種類があります。
そして、療養病床のうち、医療保険が適用されるのが医療療養病床、介護保険が適用されるのが介護療養病床となっているのです。
例えば、200床の療養病床を持っている病院があったとして、そのうち50床が介護療養病床(=介護療養型医療施設)、残りの150床が医療療養病床といった感じで混在しているところがほとんどだと思います。
2 要介護度の高い患者が多い
次に大きな特徴として、要介護度の高い患者が多い傾向にあります。
制度上は要介護1以上の認定を受けていれば入院できるのですが、実際は要介護4や5の人が多いです。
私も実際にいくつか介護療養型医療施設を見てきましたが、ほとんどの患者さんが寝たきりの状態でした。
3 医療的ケアが必要な人でも対応可能
これは1に挙げた特徴とも関連していますが、病院や診療所が運営していますので、医師や看護職員が手厚く配置されています。
なので、特別養護老人ホームと比べて胃ろうなどの医療的ケアが必要な人でも対応できるのです。
これからの介護療養型医療施設について
近年、介護療養型医療施設は減少傾向にあります。
これは、以前から国が介護療養型医療施設の廃止を決めていたからです。
廃止されるからといって、介護療養型医療施設を潰さないといけないわけではなく
介護老人保健施設などの他施設への転換をしていくようにしていました。
これは私の個人的意見ですが、介護療養型医療施設は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設とは違う、大きな役割を果たす介護施設だと思っています。
特別養護老人ホームは亡くなるまで入所できますが、医師や看護職員の体制が比較的うすいので、医療依存度の高い人は入所できません。おそらく、施設側から断られると思います。
介護老人保健施設は、医療的ケアという点ではある程度対応可能だと思いますが、そもそもリハビリなどによって在宅復帰を目指す施設なのです。
介護療養型医療施設は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設に入所できない、在宅復帰が難しい医療依存度の高い高齢者を受け入れられる施設なのです。
このたび、平成30年度から、介護療養型医療施設の新たな転換先として、介護医療院というものが創設されました。
介護医療院の概要をみたところ、介護療養型医療施設と同じような役割を果たす施設のようなので、これから介護医療院への転換が進んで行くのではないかと思っています。