養護老人ホームの特徴・費用などについて

こんにちは、サイト管理人のヒロキです。

突然ですが…皆さんは、養護老人ホームをご存知でしょうか?特別養護老人ホームはよく知られていますが、養護老人ホームを知っている人はあまりいないと思います。

ですが、高齢者の人口が増え続け高齢者のニーズも多様化している現代において、養護老人ホームが果たす社会的役割は大きいものだと、僕は思っています。

ここでは、そんな養護老人ホームの概要を解説していきたいと思います。

そもそも、養護老人ホームって…?

養護老人ホームは、経済的な理由などにより自宅での生活が困難な高齢者が入所できる施設です。
基本的には、比較的自立した生活を送る高齢者が入所の対象とされています。

社会福祉法上、養護老人ホームは特別養護老人ホームと同じ社会福祉施設として位置づけられています。国や地方自治体、社会福祉法人だけが運営できる施設です。

なかには、視覚障がいや聴覚障がいを持つ高齢者の受け入れを中心とした養護老人ホームもあります。

養護老人ホームは、措置した市町村から措置費というお金をもらって運営しています。そこから入所者の食費などを捻出しています。

例えば、A市で在宅生活を送っていた高齢者BさんがC市にある養護老人ホームに入所した場合、養護老人ホームはA市からBさんの措置費を受けとり、その措置費からBさんの食費などをまかなっていくのです。

養護老人ホームに入所するには…?

養護老人ホームに入所するには、お住まいの市町村に入所申込みをしなければなりません。
この点が、特別養護老人ホームなどと大きく異なる点です。

特別養護老人ホームなどの他の介護施設は、入所者と施設の契約に基づいて入所するのに対し、養護老人ホームの場合は、市町村が入所申込みをした高齢者を「措置」して養護老人ホームに入所することになります。

おおまかな入所の条件として、経済的条件と身体的条件の2つがあります。

まず経済的条件として、生活保護を受けているか、市町村民税が非課税の高齢者であること。身体的条件としては、入院加療を要する状態でないことなどが挙げられます。

ですので、市町村に入所申込みをすると、住民税の課税状況を調べらます。また、医療機関で健康診断を受け、感染症にかかっていないかなどをチェックされます。

感染症にかかっている高齢者を養護老人ホームに入所させてしまうと養護老人ホームで感染症がまん延する可能性があるので、そういった観点からも健康診断を受ける必要があるわけですね。

市町村が高齢者を養護老人ホームに措置するかどうかは、市町村に置かれている「入所判定委員会」が判断します。

措置可と判断されれば、養護老人ホームに入所できるという流れです。

養護老人ホームの費用は…?

養護老人ホームの場合、入所するときの費用はかかりません。

月額利用料ですが、入所者の所得に応じて費用を負担します。所得がない場合は、費用負担額は0円です。所得に応じて負担額が設定されていますので、費用負担について心配することはないかと思います。

また、入所者本人のみならず、扶養義務者も、その人の課税額に応じて費用を負担することとなります。

介護が必要になったら…?

養護老人ホームに入所している高齢者が介護が必要な状態になった場合、まずヘルパーやデイサービスなどの介護サービスを利用することになります。

居宅でヘルパーさんを利用するのと同じように、養護老人ホームでも外部のヘルパーやデイサービスを利用することが可能です。

介護サービスを利用した場合の費用ですが、一定の割合については措置費でまかなわれます。入所者の所得に応じて措置費の割合が決められていて、所得が低い人ほど措置費の割合が高くなります。残りは入所者の自己負担となります。

例えば、居宅だと1万円かかる介護サービスを養護老人ホームで利用した場合で、その入所者の措置費の割合が55%だとすると、5500円は措置費からまかない、残りの4500円を入所者が自己負担することになります。

ヘルパーやデイサービスなどの介護サービスを利用しても養護老人ホームでの生活が困難になってくると、介護老人保健施設や特別養護老人ホームへ入所することとなります。

養護老人ホームは比較的自立した高齢者が入所する施設なので、ほかの施設に移らざるを得なくなるわけです。

いかがでしたでしょうか?このように養護老人ホームは、とても安い利用料で入所できる高齢者施設です。所得が低い高齢者の受け皿として果たす社会的役割は大きいと僕は思っています。
しかし、全国的に養護老人ホームは定員割れを起こしている施設が多いのが現状です。社会的認知度が低いことや措置費による財政的負担をきらう市町村が措置を行わない「措置控え」が社会的問題となっています。

ここに書いたことはあくまでも概要ですので、詳しく知りたい方は、市町村の高齢者福祉担当部署に問い合わせてみましょう。

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